近代の子供の体力

子供の体力低下(運動能力は低く、体格は向上している)
文部科学省が昭和39年から行っている「体力・運動能力テスト」によると、子供の体力・運動能力は、昭和60年頃から低下しており、昔の子供と比較してみると、ほとんどの種目において現代の子供が数値を下回っており、身長・体重などの子供の体格について比較すると親の世代を上回っています。
 このように、体格は向上しているにもかかわらず、体力・運動能力が低下していることは、身体能力の低下は深刻な状況を示していると言わざるを得ません。
 最近の子供は転びやすい、けがをしやすい、起立姿勢が長くできないといわれています。これは平衡性、敏捷性、巧緻性など身体の動きを最も効率的に発揮するための能力、つまり調整力が衰え始めているからです。そのため咄嗟の動きができない、頭の考えに身体の動きがついていかないでバランスを保つことができない子供が急増しているのです。
 現代の子供の体力の低下は将来の国民全体の体力低下につながり、社会全体の活力が失われるということになりかねません。
<身長・基礎的運動能力の比較>
男子(11歳) 女子(11歳)
昭和39年 昭和60年 平成15年 昭和39年 昭和60年 平成15年
身 長 135.49 143.04 145.20 140.24 145.64 147.10
体 重 31.79 35.90 39.40 33.48 37.92 40.00
50m走 8.96 8.75 8.91 9.30 9.00 9.25
ソフトボール 33.44 33.98 30.42 18.74 20.52 17.19
思春期になる前に
小学校から中学校にかけては、走ったり、跳んだり、投げたり、などの基礎的な動きがより洗練される時期と言えます。また、小学校高学年ぐらいから始まる思春期には、骨や筋肉、内臓器官など生きていくために必要な様々な身体機能の成長がもっとも顕著に見られ、身長が伸びたり、声変わりをしたりと大きな変化があります。それは、精神面でも同じように考えられ、そのため不安定になることも多く心身のバランスを取ることが難しい時期といえます。
  この時期においての運動は、その後の人生にも大きな影響を与え、活動的でない現代の子供は、あらゆる行動への意欲や気力などの精神的充実のないまま社会にでていくことになってしまいます。
現代の子供の体力事情
 現代の子供の体力低下の原因には、二つの要因が考えられます。一つは近年の風潮として子供の学力アップを重視するのに比べ、「外遊び」や「スポーツ」の重要性を軽視する傾向にあること、もう一つは、生活の利便性、生活環境の変化などで、日常生活の中で自然に体を動かすことが少なくなったことにあります。

具体的には、
  1. 学校から帰ると塾にいったり、ゲームをしたりで、外で遊ぶ時間がない。(時間)
  2. 空き地や公園などの子供の手軽な遊び場所の減少。(空間)
  3. 少子化などでの遊び仲間の減少。(仲間)など、時間的、空間的、人的の不足があげられます。
自分を見つめることから、自分の能力を知ろう
 今の子供たちの運動の場といえば、学校の体育の授業、スポーツ少年団や中学校の部活動などがあります。しかし、ひとりひとりの「体格」や「体力」が違うように、子供によって「できる」「できない」や、「好き」「嫌い」があります。
 学校では年に1度「体力テスト」をおこない、さまざまな身体能力を測定しています。しかし、その結果から何がわかるかどんな結果が出てそれをどうするのか?知らないことが多く、その後の対応でも具体的なものはできていません。
 体力テストをして現時点の自分の体力をみつめ、足りないものを補い、優れているものを伸ばすといったこれからのトレーニング方法をひとりひとりに合わせて作っていくことが重要です。また、一緒に相談し、協力して取り組む仲間が必要であり、そこには大人の存在も重要だと考えられる。